このページは来訪者のみなさんからの反論、賛同、批評、感想、質問などを載せています。わたしの応答もあります。
00年2月6日
1.ところで、なんでキリストの復活した体に傷痕があるんでしょう。よみがえった体なら完全に再生されているはず
2.ところで、キリストが誕れたとき、博士を導いた星ってなんでしょう。星は動きません。当時の星の概念のようで
3.ところで、レイプされて妊娠した子まで堕してはいけないと主張するなんて、おかしいと思います。
4.マザ−テレサやキング牧師がどんなに秀れていても、キリスト教が真理という証明にはなりませんよね。
5.癌で死ぬ寸前の人の所にかけつけて、キリストを信じなさいと言う人がいますが許せません。
6.ユングやフロイトはキリスト教に批判的だったので、心理療法とは相入れない物だと思います。
00年2月19日
(1)「なんでキリストの復活した体に傷痕があるんでしょう。よみがえった体なら完全に再生されているはず・・・」
そうですね。パウロよれば、肉の体に対して、霊にも体があるといいます。パウロによれば、復活した体はこの「霊の体」です。
蒔かれるときは朽ちるものでも、朽ちないものに復活し、蒔かれるときは卑しいものでも、力強いものに復活するのです。つまり、自然の命の体が蒔かれて、霊の体が復活するのです。自然の体があるのですから、霊の体もあるわけです。(コリント第一、15:42b〜46a)ところが、福音書に描かれているイエスはパウロとは違う意見を持っています。ルカによれば、イエスは「霊は体〔骨や肉)を持っていない」と言います。
わたし[復活したイエス]の手や足を見なさい。まさしくわたしだ。触ってよく見なさい。亡霊には肉も骨もないが、あなた方に見える通り、わたしにはそれがある。(ルカ、24:39)パウロによれば自然の体は「朽ちるもの」ですから、死んだ体は腐って塵に帰って当然(創世記3:19)なわけです。復活する体はそれとは別の「霊の体」です。しかし福音書では、「触ってよく見なさい」などと復活したイエスに言わせたり、イエスの墓が空になっていたということがイエスの復活の状況証拠として、まじめに描かれています。福音書の著者たちは、パウロと違って、死んだその体がそのまま生き返ることが復活だと考えているからです。
ヨハネの福音書では、「手や足」を見なさいといったルカのイエスと違って、「手とわき腹」を見せるという違いはあるものの、イエスの復活とは死んだイエスの体がそのまま生き返るという考えを持っていることにおいては同じです。だから、復活したイエスの手とわき腹に傷の跡が見えることが復活の証拠になると思い込んで、この物語を福音書に残したのでしょう。
(2)「ところで、キリストが誕れたとき、博士を導いた星ってなんでしょう。星は動きません。当時の星の概念のようで・・・」
わたしがこの物語を聞いてこっけいに思うのは、その星が
幼子のおられるところまで進んで行き、その上にとどまった。そしてその家にはいって、母マリヤとともにおられる幼子を見、ひれ伏して拝んだ。(マタイ2:9a〜11a)というところです。地上から数メートル上の高さにある星なら、たとえば飛んでいる小鳥の場合のように、どの家の上にとどまったか、言うことが出来るでしょうが、飛行機の飛んでいる高さでさえ、わたしたちは、どの家の上を飛んでいるかなど、確定することなどはできません。この東方の博士の物語は、「イエスが神の子キリストとであることを、あなた方が信じるため(ヨハネ20:31)」の、あきらかな作り話です。
(3)「ところで、レイプされて妊娠した子まで堕してはいけないと主張するなんて、おかしいと思います。・・・」
この問題に関しては、クリスチャンの間でも、意見が一致していません。
(4)「マザ−テレサやキング牧師がどんなに秀れていても、キリスト教が真理という証明にはなりませんよね。・・・」
まったくその通りです。人間の性格や人生がどんなに優れているとしても、彼らの信じている事柄の内容が事実である、真実である、ことにはまったくなりません。もしそうなら、善人はみんな物理学や数学やそのたの諸科学の天才であることでしょう。「ある教義が人を幸福にする、有徳にする、だからそれは真理である、というほど安易に考える者はいない。(ニーチェ) 」
(5)「癌で死ぬ寸前の人の所にかけつけて、キリストを信じなさいと言う人がいますが許せません。・・・」
お金に困っている人のところに行って、高額の利子を付けて金を貸して、助けに乗り出す「親切な」人に似ています。
(6)「ユングやフロイトはキリスト教に批判的だったので、心理療法とは相入れない物だと思います。・・・」
心理療法にもいろいろあって、キリスト教の思想が現代風に姿を変えてその世界に潜り込んでいる場合があるのではないでしょうか。岸田秀によれば、ユング、ライヒ、フロム、ホーナイなどの「真の自己]を想定する心理学がそうです。
おたより、ありがとうございました。