佐倉さん、こんにちは。

お聞きしたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?

ヘブライ語の原典では、神の呼称として「エロヒム」「ヤハウェ」「アドナイ」などがあるそうですが、日本語訳の聖書では、どのように翻訳上の違いをだしているのでしょうか?

「エロヒム」を「神」、「ヤハウェ」を「主」と訳していると聞いたことがあるのですが、聖書の全てに当てはまるんですか? また、「主なる神」 「神の霊」 「主の霊」などはヘブライ語の原典ではどのようになっているんですか?

よろしければ、ご教授ください。

By NO-MU


ヘブライ語の原典では、神の呼称として「エロヒム」「ヤハウェ」「アドナイ」などがあるそうですが、日本語訳の聖書では、どのように翻訳上の違いをだしているのでしょうか?
日本語訳の聖書では、「エロヒム」は例外なく「神」と訳されているようです。「アドナイ」も、おなじく、例外なく「主」と訳されているようです。「YHWH」(神の名前)の翻訳は「エホバ」、「ヤハウェ」(「ヤハヴェ」「ヤーヴェ」等)、および「主」(太文字にして、アドナイの「主」と区別している場合もある)などとなっているようです。


「主なる神」 「神の霊」 「主の霊」などはヘブライ語の原典ではどのようになっているんですか?
「主なる神」と翻訳されているヘブライ語聖書の部分(たとえば、創世記3章13節)は、もともと古代の写本では「ヤーヴェ・エローヒム」、すなわち、「ヤーヴェ神」(「ヤーヴェ」という名前の神)ですが、マソラ本(西暦後10世紀ごろ)以後のヘブライ語聖書では、「アドナイ・エロヒーム」(主なる神)と読みます(読ませます)。「アドナイ・エロヒーム」と読みます(読ませます)のですが、「アドナイ・エロヒーム」と書いてあるのではありません。「ヤーヴェ」の子音の間に「アドナイ」の母音を挟ませているのです。どうしてこのようなおかしなことになっているのか、その理由については、こちら(「ヤーヴェ」)を参照してください。

「神の霊」 「主の霊」などにでてくる「霊」は、「ルア」というヘブライ語で、もともと「風」を意味する言葉です。たとえば、創世記8章1節、

神は、ノアと彼とともに箱舟にいたすべての獣とすべての家畜を御心に留め、地の上にを吹かせられたので、水が減り始めた。
にある「風(ルア)」は、「神の霊(創世記1章2節)」や「主の霊(師士記3章10節)」などにおいて「霊(ルア)」と訳されている言葉と同じ言葉です。古代ヘブライ人は、目に見えない風が木の葉などを揺り動かしたりするのをみて、神の仕業とでも考えたのでしょうか。