毎度お騒がせしております。匿名です。脱会の理由シリーズも、この「その3」でようやくおしまいです。ご愛読ありがとうございます。
今回は『フランクリー・スピーキング』にツッコミを入れてみましょう。これは大川隆法(中川隆)氏のインタビューを収録した本で、彼個人の考えを知るには絶好の本です。果たして、彼の素顔とは?!
(英『ファイナンシャル・タイムズ』紙のインタビューに答えて、)ホモ・セクシュアルの問題については、霊的な観点から見たときには、やはり異常と言わざるをえません(40ページ)
・・・いきなりこれです。これって差別じゃありません?こんなひどいことを言っているようでは21世紀中につぶれちゃうと思いますが・・・
後半に収録されている、渡部昇一・上智大学教授との対談では、もっとすごいことが書いてある。エイズについてこんなことを言っているのです。
大川:神の警告のようなものですね、エイズは。アメリカでも、性が乱れたらエイズが流行ったでしょう。やはり警告ですね。そうしないと、わからないから。うわー、とんでもない差別発言!「エイズはゲイの病気だ」だなんて、ただの偏見じゃありませんか?しかし、「警告」って・・・もう少しましな方法を考えつかないのかしら、高次元の霊たちは?口で言えばわかる事でしょうが。「口で言っても分からねえようなら、痛い目にあってもらうしかねえな」とでも言いたいのでしょうか?なんだか暴力団みたいで、恐ろしい。神や仏ってこんなひどい性格してるものなのでしょうか?渡部:いや、非常に素朴な我われの見方でも、アメリカのように乱交万歳のような状況になったら、ヘルペスが流行ったでしょう。それからゲイがいいことのような風潮になったら、エイズですね。本当にその通り現れるなというのは、素朴にわかりますね
(220ページから221ページ)
「初めに言葉があった。言葉は神と共にあった。そして言葉は神であった」(ヨハネによる福音書第1章1節)
まあ、でもゲーテは『ファウスト』で「初めに行為があった」と変えて見せましたけれど・・・やはり「口で言っても分からない馬鹿な人間ども」に対しては実力行使をするということなのでしょうか。僕はこんな暴力団まがいの高次元の意識なんか好きになれませんね!
この発言からわかることは、信者さんたちの言う「理屈抜きの直感」というのは「先入観と偏見」のことなのでは?ということです。そうとしか思えません。ただ単に中川隆さんは「ホモなんて気色悪い!絶対異常だよ、奴等」という「先入観と偏見」を最初に持っていて、それによってこんなことを言ったのではないか?どうもそんな気がします。ところで『返信(下)』でKKK団とネオナチを例にあげたのは、強烈な差別思想を持っているから幸福の科学と共通点がある、と思ったからです。
さらに、女性に対してもすごいことを言っている。
大川:・・・(前略)これは大きな声ではいえないので、活字になったら、怒られるかもしれないけれど、アメリカが衰退してきている理由の一つは、私は女性の管理職が多すぎるせいだと思うんです。・・・ひでえなあ。どうでもいいけど、今アメリカ衰退してますか?日本の景気はいいですか? それはともかく、女性にはトータルな指導力がないだなんて・・・これってやっぱり偏見の産物では?(これもどうでもいいけど「大きな声ではいえないので、活字になったら、怒られるかもしれないけれど」だなんて、こんな弱気な発言をしているのはどうしてでしょうか?)渡部:そう思いますね。
大川:実際に私もアメリカで1年間働いていましたが、要するに、女性の管理職を出さないと、女性のほうから突き上げられるから出すんですよ。確かに専門の能力は持っているし、知識的にも、大学はエールを出た、ハーバードを出た、どこそこを出た、と言っているんだけど、ところが実際の能力は、男性から見たらやはり欠けているものがあるんですね。トータルな指導力がないんです。
渡部:それから、やはりチームワークというか、本能とかね。
(中略)
大川:だから、私も教えの中で、「女性の魂は補助者として作られている。しかしその分、神様は美という価値を与えられており、それは、たとえようもないよろこびなんだ」ということを言っているのですが、「補助者」と言われただけでカチンと来る種類の魂が2,3割はいるので、こういう人たちに教えを落とし込むのは、なかなか力がいるんです。
渡部:補助者と言われて女性が怒ること自体が、堕落なんですよね。」
(223ページから225ページ)
「女はだめだ、すぐに仲間同士で足を引っ張り合う。それが証拠に、女性週刊誌を見てみろ。くだらない芸能人のゴシップ記事ばかりだ。『ほら、あの女かわいい顔して、やっぱ性格悪いんじゃん』とかいった具合の。こういう覗き見記事にしか興味がないんだな、女というイキモノは。馬鹿どもが」
うーん、やだなあ。男性だって、
「男はみんなドスケベだ。ヤルことしか考えていない。刑法でレイプが禁止されていなかったら、男はみんな強姦魔になるはずだ。出張に向かう飛行機や列車の中では、現地で買う女の事で頭がいっぱいになっているのだ。会社ではセクハラにいそしみ、街に出て女子高生を買いあさるイキモノ、それが男というものだ。汚らわしい」
なんて言われたら嫌でしょう?相手の立場にたって物事を考えるということができないのかしら?中川さんは。
それに「美と言う価値を女性は与えられている」というのもねえ・・・この「美しさ」というのは内面的なものだけではなさそうです。外面的なものを中川さんは非常に重視しているらしい。『太陽の法(新版)』の金星人に関するくだりを読むと、そのことがよくわかります。
最終段階における金星人は、外見は、現在の地球人によく似ており、知能指数でいうと、IQ300以上で、男女共に真珠のような素晴らしい輝きをもった天人たちのようでした。特に女性たちは、地球上のミス・ユニバースたちを集めても、かすんでしまって猿の親類にしか見えないほどの美しさでした。夢と愛と美と知性あふれる金星のユートピアがそこに出現しました。(『新・太陽の法』51ページ)
どうやら「仏法真理」にのっとった女性の美の価値基準というものは、現在のミスコンにおけるそれと同じらしいですね(そいでもって猿は醜い生き物らしい)。「地球系霊団の最高大霊」が、ずばり「ミス・ユニバース」という言葉を用いているのだから、どうやらそれに間違いなさそうだ。うーむ、どうやら藤原紀香みたいな人が「美しい女性」ということになるらしい。しかもその美しさの価値というのは、時代を超えて普遍的に通用するそうです。なんといっても「仏法真理」ですからネ!
うーむむ?でもおかしいな。美の基準と言うものは、時代によって変わると思うんだけど。たとえば、平安時代の日本では、現在の基準から言えば「下膨れのオタフク」である女性が美人であるとされていたし、縄文時代の土偶を見れば、当時の美人というのは相撲取りみたいな体型の女性だったらしい、と言うことが推測されるのだから。むむむ・・・考えれば考えるほど納得がいかない。
・・・あっそうか、考えたらわからなくなるんでしたっけ。「今生きている世の中の知識をこねくり回してわかるというものでは決してありません。(Yasuko Satouさん談)」でしたよね?
とにかく、私は外見の美しさが女性の価値である、と言う考えにはとても賛成できません。しかもその美の価値基準が信用できないし・・・結局「ブ○は価値がない」って言いたいのですか?すごーくいやな感じがします。
私が思いますに、例のパンティー強奪事件にはやはり、幸福の科学の基本理念である「女性は従属的存在であり、男性に従うべきものである」というものが関係していたのだと思います。
質問リスト: 質問1.なぜホモセクシュアルを差別するのですか? 質問2.なぜホモセクシュアルが異常だと言えるのですか? 質問3.幸福の科学の言う「女性の美の価値基準」とはどういう ものなのですか?理想的モデルを提示して説明してください。
お答えをお待ちしております。ただし、メール爆弾等の嫌がらせはやめてください。(くどい!)
(補遺)
『フランクリー・スピーキング』には、さらにとんでもない部分がある。それをちょっと紹介しましょう。
大川:(渡部教授が朝日新聞にたたかれたと言う話を受けて、)いやあ、でも、すごいですね。よく戦いますね。感心します。私は自信ないですね。ひとりで、よくペンで戦えますね(231ページ)
この対談が行われたのは、1991年7月30日。そして、こんなことを言った舌の根の乾かぬうちに(わずか1ヵ月後!)例の「フライデー事件」を起こしたのであります!
フライデー事件とは、1991年9月2日午前9時から同年9月6日午後9時にかけて(なんとこの間、4日間半で計108時間!)、講談社に対して「フライデーを廃刊せよ!」と言う内容の電話をかけまくり、同様の内容のエンドレスFAXを送りつづけた、というご存知のあの事件のことです。(皆さんもよくご存知でしょう)
あのね、渡部先生がとった方法というのは、学生にどんなに授業妨害をされても、淡々と講義を続ける、と言う方法だったと書いてあるんですけど・・・? 朝日新聞社にエンドレスFAXを送ったりはしなかったと思うんですが。
・・・ムムッ?「ひとりで、よくペンで戦えますね」?そうか、中川さん、あなたはもう一人じゃなかったからあんなことをしたのですか?!「みんなでやれば怖くない」とでも思ったのですか!?きっとそうに違いない。だって、こんなことを言っているんだもの。
渡部:そうですね。まあ、キリストだって弟子は12人しかい なかったしね(笑)。大川:そう、だから殺されたんですけどね。
渡部:そりゃそうだ。
大川:軍団をつくっていれば殺されない。
渡部:弟子が1200人ぐらいいればね(笑)。
大川:そう、それぐらいいれば殺されないんですよ。
(276ページ)
やっぱりそうなんだ!「大勢でやれば平気だ」という気持ちがあ ったからこそ、あんなことをしたのですね、中川さん!!
あらゆる羞恥心を抛(なげう)ち、
あらゆる無気力と闘い、
あらゆるこの世的なる誘惑を粉砕し、
しかして、勇ましくただ一人立て。
勇者は孤独のうちに立つ時に
聖なる光を帯びるのだ(『永遠の仏陀』(新書判の旧版193ページ))
まずは自分が実践しなさい! まったくもう。
最後まで読んでくださってありがとうございます。この一連の文章を書いたおかげで、私も気持ちの整理ができたかな? おかげで病気もググッと快方に向かってきたみたいです。この文章を書くきっかけを与えてくださったYasuko Satouさん、佐倉さん、および一大学生さんに、この場を借りてお礼を申し上げます。本当にありがとうございます!