佐倉哲ホームページ

言の葉

(57)

「科学は知ることのできることを教えるもの・・・」


科学と宗教(神学)の違いは何か。今回紹介するのは、バートランド・ラッセルのことばです。


Science tells us what we can know, but what we can know is little, and if we forget how much we cannnot know we become insensitive to many things of very great importance. Theology, on the other hand, induces a dogmatic belief that we have knowledge where in fact we have ignorance, and by doing so generates a kind of impertinent insolence towards the universe.

科学は知ることのできることを語るものですが、わたしたちが知ることのできることというのは、ほんのわずかなものに過ぎません。したがって、知ることのできないことがどれほど多いかという事実を忘れてしまうと、非常に多くの重要なことがらに関して、わたしたちは無神経になってしまいます。一方、神学は、わたしたちがほんとうは知らない領域のことがらについて、まるで知っているかのごとく思い込む独断的信念を教え込みます。そのために、神学は宇宙自然にたいして横柄で傲慢な態度を生みだす結果になっています。



--- Bertrand Russell, A History of Western Philosophy, 佐倉訳 ---