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言の葉

(1)


ある教義が人を幸福にする、有徳にする、だからそれは真理である、というほど安易に考える者はいない。…幸福や道徳は論拠とならぬ。ところが、思慮ある人々ですらも、不幸にし邪悪にすることが同様に反対証明にはならぬ、ということを忘れたがる。たとえ極度に有害危険なものであろうとも、それが真であることを妨げはしない。

ニーチェ、『善悪の彼岸』竹山道雄訳