・「希少性」という観点から考えれば、そのヒト自体の価値はクローンを作れば作るほど下がると思われますか?クローンは同じものを作るわけではありません。一つ一つ異なった個性の個体を作ります。クローンである双子が異なる個性を持つように。 すでにわたしたちの間に沢山存在しているクローン人間である双子が「ヒト自体の価値」を下げると考える人をわたしは知りません。 M.K. さんはそう感じるのでしょうか。
わたしは、クローン技術そのものが人類にとって価値あるものだ、と思います。 人類の断絶ではなくその存続を「良い」とする前提に立つと、人類を存続させることに役立つ知識や技術や行動は「良い」ということになるでしょう。 セックスとクローンは様々な地球上の生命がその子孫を存続させている唯二つの手段です。 ある動植物はセックスによって、ある動植物はクローンによって、さらにある動植物はセックスとクローンの両方を使って、自らの種を存続させています。 人類は現在ほとんどセックスという手段のみによってその存続を可能にしています。 もし人類があたらしいクローン技術によって子孫を増やす手段を得ることができれば、人類は自らを存続させるためのもう一つの手段を得たことになります。 選択肢が一つ増えるのです。車や舟でしか移動することのできなかったわたしたちに飛行機という新しい選択肢が生まれるようなものです。 飛行機やヘリコプターの出現によって、かつては死だけが選択肢であった急病患者に、生き延びる選択肢が生まれるようなものです。 セックスによっては子孫を作ることのできない、氏族滅亡の危機にある家族に、自らの子孫を存続させる選択肢が生まれます。 女性にしか免疫能力のない何らかの病原菌が男性全てを滅ぼし、女性だけが残っても、人類は滅亡しなくてすみます。 わたしはこのように人類存続の方法に選択肢が増えることは基本的に良いことだと思っています。
・ヒトクローンに対する偏見・差別からヒトクローンを守るにはどのようにしていけばいいと思われますか?ひとクローンだからといって特別なことをする必要があるとは思えません。 かれらが不都合な仕打ちにあえば、他の人間と同様に、かれらもまた自らの権利を守るために戦うことでしょう。