佐倉さま
はじめまして。佐藤と申します。「エドガーケイシーのでたらめな予言」について興味深く読ませていただきました。 以下、私の意見を述べさせていただきます。
予言というもの、表現が曖昧で受けての読み方によって変わってくることが多いものです。それが良いとか悪いとかではなくて、そういうものだと思って見てみますと、例えば、
「物理的な変化に関して言えば、アメリカの西側の一部分の大地が分裂し、日本ではより大きな部分が海に沈没するであろう。ヨーロッパの上の部分では一瞬のうちに変化が起きるであろう。アメリカの東側の海からは陸が隆起するであろう。・・・これらのできごとは58年から98年の間に始まるだろう。 」という部分ですが、これらの出来事はの間に始まると言っていて、今の地球温暖化がこのまま進み、もしかすると100年後には日本は海に沈没するかもしれません。現実に北極の氷はすさまじい勢いで解けていますし。それら地球温暖化が特に言われ始めたのは98年より少し前だと思います。問題として起こってきたのはまさにその40年の間です。そういう目で見てみますと、「これらのできごとは58年から98年の間に始まるだろう」と言っていて、「起こる」とは言っていませんので、始まりだとするとあながち彼の予言が間違っているとも思えません。
具体的に外れている部分だけをピックアップし、彼の予言は全部デタラメと結論づけるまえに、当たっているものも多いと聞いていますので、そちらの部分も両方挙げてみるのが公平な判断ではないでしょうか?ただ、ケーシ財団側も未来の予言に関しては外れているものも多いと認めているようですね。医療や科学の面では当たっていることが多いらしいですね。FMラジオも彼のリーディングからヒントを得て作られたようですし。
私はケーシー財団のものでもなければ、信望者でもありません。ただ、彼がここまで多くの人に指示されるのは、単に予言が当たった、はずれたではなく、他に良い事を沢山言っているからだと思います。佐倉さんも、予言に関してだけの意見だとは分かっていますが、「彼の予言がいかにデタラメか」というあたりの表現、ちょっと「そこまで言い切るのはどうかな?」と感じたので意見を言わせていただきました。
でも、HPはとても興味深いです。いろいろな意見をHPに載せているのも良いですね。 楽しませていただきました。
佐藤
(1)通常の人間とは異なる<神秘的な予知能力>を持っていたことを明らかに示すような予言は一つもない
外れている部分だけをピックアップし、彼の予言は全部デタラメと結論づけるまえに、当たっているものも多いと聞いていますので、そちらの部分も両方挙げてみるのが公平な判断ではないでしょうか?株や天気や未来の技術に関して予想をするわたしたち普通の人間と同じような意味で、未来のことについての予想が当たったり外れたりするのでは、彼を取り上げる必要はありません。ケーシーを特別視する理由は、彼が、通常の人間が持たない<神秘的な予知能力>を持っていたかのごとく振る舞い、またそう宣伝されているところにあります。したがって、わたしの関心も、果たして彼は本当に<神秘的な予知能力>を持った超能力者だったのか、というところにあります。わたしは超能力などをよろこんで信じるタイプではありませんが、自分の目で直接調べずして結論を出すことはもちろんできませんから、好きでもない彼の著書(リーディング)を直接調べるために時間と金を費やしました。その結論は、彼の予言が間違っていたことを示すものは沢山あるのに、かれが通常の人間とは異なる<神秘的な予知能力>を持っていたことを明らかに示すような予言は一つもないということです。
(2)彼の治療法もあやしげな迷信に充ちている
医療や科学の面では当たっていることが多いらしい...。彼の予言がデタラメなように、彼の治療法もあやしげなものです。というのは、彼の著作(リーディング)を一目すれば明白なことですが、彼は自分の与える処方に合理的な根拠を与えていないからです。彼の予言の場合と同じで、いかなる理論的根拠も実験データの分析もなく、例えば、煙草は過度に吸わなければ(一日3本から5本は)身体に良いとか、ウサギの肉を食べるときは右足は良いが左足を食べれば発熱する、などというデタラメを、平気で述べています。
ガン治療に関する沢山のケーシーのあやしげな処方便は何の医学的成果も生みませんでした。鳴り物入りで1928年につくられたケーシー病院が、ケーシー自身による治療努力にも関わらず、わずか二年で倒産し、後年かれの子孫が買い戻したその施設は、いまでは、マッサージ・センターやマッサージ師養成学校に成り果ててしまっている事実が、まさにケーシーの治療法がデタラメであったことを雄弁に物語っています。
(3)予言の内容を事後に解釈し直すことは何を意味するか
今の地球温暖化がこのまま進み、もしかすると100年後には日本は海に沈没するかもしれません。現実に北極の氷はすさまじい勢いで解けていますし。それら地球温暖化が特に言われ始めたのは98年より少し前だと思います。問題として起こってきたのはまさにその40年の間です。そういう目で見てみますと、「これらのできごとは58年から98年の間に始まるだろう」と言っていて、「起こる」とは言っていませんので、始まりだとするとあながち彼の予言が間違っているとも思えません。もし、ケーシーの予言した58年から98年の間に起こる事柄の内容が、かれの語った現象ではなく、かれがそれについて何も言わなかった(遠因としての)地球温暖化のことなら、「おいおい、だったら、はじめからはっきりとそう言っといてくれよ」などと、わたしなどはいつでも予言者に文句を言いたくなってしまうわけですが、それにしても、何についての予言かが予めわからないような予言、事が起こった後からしかそれが何の予言であったかを決められない予言、そのようなものはすでに予言ではありません。「あながち彼の予言が間違っているとも思えません」どころか、絶対に間違うことはありません。<予め語られた言葉>ではないからです。予言の事後解釈は、予言者を間違いから救出しますが、そのために支払う代価は、かれを「予言者」でなくしてしまうことです。