はじめまして。お聞きしたいことがあるんですが、先生が授業で「現代に宗教はあるという考え方と、現代に宗教はない(要らない)という考え方がある。」とおっしゃってたんですが、現代に宗教はない(要らない)とはどういう考え方でしょうか。宗教についてあまり知識がないので、具体例を入れてわかりやすく教えて頂ければ幸いです。

  陽菜(はるな)

宗教というのは、しばしば、人間の能力をはるかに超越した「神」という見えない超越者の存在を想定しています。その超能力を持った存在がわたしたちの住んでいる宇宙の外側にいて、宇宙のすべてをコントロールしているというわけです。そこで、たとえば、日照りが続くと作物の成長に影響があるので、神様に祈念したり、捧げ物を捧げたりするのです。神の好意を得て雨を降らせてもらおうというわけです。また、病気になれば、神に祈って病気を癒してもらおうというわけです。

「現代に宗教はない(要らない)」というのは、そんな超能力者の存在は、人間の単なる空想にすぎず、人間の問題は人間の努力によって解決すべきであるという考えです。在るかどうかわからない、頼りない者に依存したりしないで、日照りが続くことに備えては<ため池>を造ったり、病気に対しては、手術をして悪いところを取り除いたり、薬を飲んだりすればよい、というわけです。